文化の日で学校はお休み。息子君達が「暇だからどこか連れて行け」とせがむので、午後からちょっと気になっていた九戸村までドライブして来ました。目的地を九戸村に決めた理由は数日前に見たニュース。いつも昼飯を食べながら、何気なく見ている某国営放送のローカルニュースだ。そのニュースに突然、ニワトリの被り物をした一団と共に整列する九戸村長が現れ「九戸村はオブチキ村へ改名します」と高らかに宣言しているではないか。もちろん本当に改名した訳ではなく、村のPRの一環だ。しかし、その様子を「ミスターオブチキが一日村長に就任しました」とか「この後、ミスターオブチキは晴山裕康村長と今後の取り組みについて議論しました」など、某国営報道が真面目にニュース原稿を読み上げながら伝える映像は、シュールの極み!そして九戸村の〔道の駅おりつめオドデ館〕でキングオブチキン感謝祭が開催中との事。道の駅大好きな私にとって格好のネタではないか!という訳で一家でのドライブとなった今回のお話です。最初に断っておきますが、車窓からの写真は全て同乗者が写したものですよ。
紅葉が綺麗だった道中。日本の原風景
2020/11/3
嫁ちゃんと息子君1号2号を乗せ、今回の目的地、九戸村の〔道の駅おりつめ〕に向けて出発。45分ほどのドライブです。目的地までの道中、国道281号線を進むと、山々の紅葉がとても綺麗でした。久慈渓流と呼ばれるあたり。渓流沿いはやや枯れ紅葉ですが、山の上の方はまだ完全に色付いていない様子。山頂と麓の差を感じます。
写真1 紅葉が綺麗でした
写真2 国道281号線から県道42号線に入ります
県道42号を二戸方面へ向かって進みます。ここも久慈渓流の一部。日を浴びた紅葉がとても良い感じでしたね。この日は息子君たちも一緒だし、クルマを停めてじっくりと紅葉を愛でる雰囲気ではなかったので、以前に写した写真も入れておきます。
写真3 ちょっと枯れ気味でしたが綺麗でしたよ。
写真4 本気の久慈渓流の紅葉
この道、日本の原風景とも言える里山が広がっています。とっても空気がいい。そしてタイミングが良ければ、炭焼きの香がしてくる事もあります。この辺りは木炭の生産が盛んなのです。いや盛んどころか、岩手県は木炭生産国内シェア30.7%で全国№1です。この岩手木炭でのバーベキューはとても美味い。肉も野菜も海鮮も良いのですが、私が一番好きなのでソーセージやウィンナー。炭火で焼き色がついたソーセージは遠赤外線効果で中までしっかり火が通り、外側がパリッと香ばしい。さらに凄いのが、冷めてもそのパリッと感が続くのです。炭パワーのなせる業。美味いですよ。
写真5 これぞ里山という風景 稲刈り後ですね
写真6 突然の雨 さっきまで良いお天気だったのに
突然振り出した雨の中を進むと一つのトンネルが見えてきました。この〔大宮沢トンネル〕が出来たおかげで、九戸村までのアクセスがかなり良くなったのです。冬で雪道になると、さらに有難味が増します。
写真7 これが大宮沢トンネル。
このトンネルを抜けるともう少しで道の駅おりつめに到着です。雨もあがってきました。
道の駅おりつめオドデ館に到着 『オドデ様』とは?
今回の目的地〔道の駅おりつめオドデ館〕の標識が見えてきました。
写真6 道の駅標識見えてきました
写真7 オドデ館の看板 奥に見えるのが折爪岳です
いよいよ到着。道の駅の周りにはキングオブチキンののぼりが立ち並ぶ。
写真8 メイン写真
この道の駅は普通車65台(内身障者用5台)大型車14台と、そこそこ駐車スペースもあり、各種バス停にもなっています。車中泊もOKみたいですが、マナーは守りましょうね。高速道路の九戸ICも間近で、私にとっては高速を使って移動する際に必ず立ち寄る拠点です。
そして物産館の『オドデ館』があります。
写真9 これがオドデ様だ。
オドデ館の由来にもなっているオドデ様。上半身はふくろうに似て、下半身には人間の足がついたような不思議な生き物。九戸村に古く伝わる昔話に登場する、妖怪のような神様のような存在ですね。そしてドデンドデンと鳴くので、オドデ様と呼ばれるようになったそうです。
オドデ様は人の言葉を話す事ができ、読心術や天気予報、失せ物を言い当て、いろいろと予言する事ができたようで、地域の名主の家で訪れる人達に助言していた所、この名主さんがオドデ様をお金儲けに使っていた事が解り、オドデ様は居なくなってしまった。という言い伝えが残っています。
写真10 オドデ様の由来 詳しくはこの画像で
もう一つ『おりつめ』の由来は九戸村にある『折爪岳』から来ています。なんと折爪岳は100万匹とも言われるヒメホタルの群生地として、岩手県の天然記念物にも指定されているのです。夏場の折爪岳はきっとホタルのイルミネーションが見られるのでしょうね。
村名変更!?シュールなニュースの真相を見た!
さて、オブチキ村に改名します!宣言した九戸村。どのあたりがオブチキ村になっているのでしょうか。『オブチキ』とは九戸村の商工会青年部の皆様が雄鶏をモデルに考え出したキャラクター。正式名称を『キングオブチキン』と言います。
写真11 これがキングオブチキンだ!ファラオみたい さすがキング
写真12 道の駅周辺はこののぼり旗でいっぱい
もう道の駅中オブチキだらけです。そんな中、改名した証拠を発見!
写真13 これがオブチキ村に改名の証拠写真だ
道の駅の真ん中にデカデカと置いてある顔出しパネル。チキンの一人(一羽?)が、改名した事を告げるボードを手にしています。この道の駅何度も訪れていますが、これを見たのは初めてです。最近作ったのでしょうね。そしてオブチキとその取り巻き達、どうやら『ザ・トリフタ―ズ』というらしい。なかなかインパクトのある顔出しパネルです。記念写真を撮っている方もいました。そして物産館の入り口には『キングオブチキン感謝祭』の立て看板。なにやら特設ブースがあるようです
写真14 館内の特設ブースとはいかに
物産館に足を踏み入れると地元の特産品の奥になやら人だかりを発見。さっそく行ってみると、やはりそこが特設会場でした。特設会場付近はケッコーな人出で、写真を撮っている余裕がありませんでした。肝心の感謝祭の内容ですが、九戸村、いやオブチキ村内で5,000円以上の買い物をすると、オブチキ特性マフラータオルが貰えるとの事!ちょっと欲しい。
しかし我が家の財布を握る嫁ちゃんは、まったく興味を示してくれず、泣く泣く諦めたのでした。
写真15 顔出しパネルの元になったらしきポスター
写真16 ザ・トリフターズのポスターも有りました。YouTubeにも進出しているようです
キングオブチキンを検索するとかなり出てきますね。YouTubeにはザ・トリフターズのデビュー曲「NEGIMS LOVER」を始め、いろんな動画があります。私も見ましたが、ケッコー面白いですよ。
そして、いよいよニュースの真相と共に、感謝祭を開催している理由が見えてきました。九戸村の特産品鶏肉の出荷は年間19,000万羽以上を出荷する一大生産地なのです。しかし、そのほとんどが東京などに出荷されているので、実はあまり地元で出回っていないのだとか。そこで、今回キングオブチキンを前面に押し出し、地元にもアピールして消費を増やして行こう。という目論見なのですね。地元消費は大事ですよ。本当に。
美味しい物もいっぱいありましたよ。
気が付くと嫁ちゃんと息子君2号の姿が無い。息子君1号は健気にも私のそばに居てくれました。息子君1号とオブチキ特設ブースでチキンウインナーを購入。
写真17 チキンウインナーゲットだぜ!炭火で焼いたら、さらに美味い
写真18 チキンウインナーに喜ぶ息子君1号
嫁ちゃんと息子君2号はどうやらおやつを買っている様子。私も特設コーナーを離れ、物産館内を物色。地元で取れた野菜たちが並びます
写真19 地元で取れた野菜たち、新鮮です
写真20 九戸村産アカシアの蜂蜜。クセが少なくどんな料理にも使いやすいそうです
写真21 のだ塩!九戸村の道の駅にもあったのだ!
嫁ちゃんが色々と食料を調達したので、いったんクルマに戻りおやつタイム。おかし数点とジュース。あとは道の駅で特性のドーナツと田楽餅。地元パン屋の菓子パンにもちろん焼き鳥も。車内で美味しく頂きました。
写真22 特性一口ドーナツ。カリカリのフワフワです
写真23 田楽餅くるみ味噌味。昔から普通に食べていましたが、もしかしたら地域限定?
写真24 地元小笠原菓子舗のパン。小さく見えますが厚みもあり90円。コスパ良し!
焼き鳥ネギ間塩味も買ったのですが、写真撮る前に食べられてしまいました・・・とってもジューシーで、ネギが肉の味を上手に引き立てます。あ、自分が食べた1本を撮影すれば良かったのか。撮影も忘れる程美味かった。満腹になるくらいのおやつを食べた後は、最後に恒例の道の駅スタンプチェック。
写真25 九戸村のシンボルキャラ、まさざねくんが描かれています(オブチキは非公式キャラみたいです)
戦国武将の九戸政実(くのへまさざね)公は北条氏を破り既に戦国の覇者となっていた豊臣秀吉に弓を引いた男。九戸政実の乱を起こした人として歴史に名を残していますが、侵略される方からすれば“乱”ではないのです。この話になると熱くなっちゃうので別な機会でね。
帰りのクルマの中、ふと二つの疑問が頭の中に浮かびました。
1、嫁ちゃんダイエット中じゃなかったっけ?
2、これぐらい買い物したら、もうちょっと足せば5,000円になったんじゃね?そしたらオブチキマフラータオル貰えたんじゃね?
上記2件、口に出して言うほど野暮じゃございません。一家で楽しめた時間が何より嬉しいのですよ。またお出かけしようね。